ノヴァの新しい一歩 ~有機クラフトスピリッツとの出会い~ 第三章
第3章:調和
私たちが拠点を置く北本市では、大正時代から「トマト」が特産品として親しまれており、当時の日本ではまだ珍しい無着色トマトピューレの開発・生産を積極的におこない、注目を集めていました。時が流れた今日でも、市内の店頭にはトマトを楽しむメニューとして、トマトカレーやトマト大福、トマトジュースなどが並んでいます。
歴史ある地元の特産品「トマト」を活かした商品づくりが、私たちにもできないだろうか。そう考えたときに閃いた方法が、「スピリッツ」でした。
“トマトをボタニカルとして使い、地域の特性を活かすことができれば、これまでにないトマトのスピリッツができあがる”、
“一生懸命育てたトマトをまるごと使いたい、トマトの風味をそのまま届けたい”、
私たちは、すぐに動き出しました。
―2021年4月、トマト栽培を開始。
“まずは自分でトマトを育てることから始めよう”、と決意を固め、市内にある自社の畑にビニールハウスを建てて、トマト栽培をはじめました。私たちは有機農産物の認証事業者でもありますが、トマトの栽培は初めてのこと。トマト農家さんからお話を聞いたり、インターネットで調べたりしながら、毎日畑に通ってお世話を続けました。真夏の強い陽射しには苦労しましたが、みずみずしく実ったトマト数十キロを、無事に収穫することができました。
―2021年6月17日、酒類製造業免許を取得。
1年と6ヵ月ものあいだ待ちわびていたお酒造りが、ついに叶う日がやってきました。この日から、付きっきりで研究を重ねる日々がはじまりました。幸いにも私たちの仲間の中には、日本酒醸造元の元杜氏という酒造のエキスパートがいるので、とても心強いのです。
―2021年11月
ここまで猛進して取り組んできたトマトスピリッツが、ついに形になりました。試行錯誤して、最もトマトらしさを感じる味わいを導き出し、「北本有機クラフトスピリッツ(トマト)」が誕生しました。
各国の生産者の思いと、地元・北本市の歴史あるトマトが見事に調和し、新しい特産品が生まれたこと、これは、私たちにとって、とても大きな成果になりました。